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月と常夜灯

常夜灯系作家・結来月ひろはの公式サイト

「ここのパフェが食べたい」と言えるようになるまでとインタビューの話

 
自分のことを話すのがとても苦手だった私が「ここのパフェが食べたい」と言えるようになるまでの話とインタビューの話

インタビューをしていただいた記事がwithnewsさんで公開されました。

https://withnews.jp/article/f0191122001qqf2190813000qqF0W07n10101qq000020099A


この記事の中で自分のことについてお話させていただいていますが、実は少し前まで自分のことや自分に関することを、たとえば好きなものだったり、行きたい場所だったりを話すのが苦手でした。

「こういう仕事をしているのに?」と不思議に思うかもしれません。

でも自分にとっては「作品を書くこと」「話すこと」はまったくちがうことで、別物です。
登場人物と作者が「まったく別の人間」であるのと同じです。

ちなみにどれくらい自分や自分に関することを話すのが苦手だったかというと「ここのパフェが食べたい」と、その一言が言えないくらいです。

「ふつうに言えばいいのに、なんで言えないの」と思いますか? 
でも、そのふつうの一言がずいぶん長い間言えませんでした。 

それはインタビューでお話していることも深く関係しています。

ひどいことを言われたり、いろいろな物が飛んできたり、突き落とされかけたり、自分の文章や文字を真似て勝手なことを書かれたり。
そんなことがあっても助けてくれる人は学校に誰もいませんでした。

学生時代の経験から「自分の言葉が届くことはない」「どうせまともに話を聞いてもらえない」「なにか言ったら、また物が飛んでくるんじゃないか」という思いを抱えて過ごしてきました。



そんな自分がインタビューを受けると決めたきっかけは3つのあります。

取材のお声がけをいただき、サイトの他のかたのインタビュー記事を読んで「自分にも何か伝えられることがあれば」と思ったことがひとつです。

どの記事もとても丁寧に、そっと優しく寄り添うように書かれていたのが印象的で。
こうした記事を書かれている方になら、自分のことを話せるんじゃないかと思いました。

取材の時には初めてのことで緊張している私に優しく、そしてとても丁寧に話を聞いて下さいました。本当にありがとうございました。


2つめは仕事関係でお会いしたかたの話の中に出てきた「つらい経験をしたからこそ、できることがある」という言葉でした。
取材のお声がけをいただいた時にふと浮かんだのが、この言葉でした。


3つめのきっかけは、ある人と一緒に行ったお店でのことです。

そのお店は私がずっと前から行ってみたかった、だけどひとりで入るには入りづらいお店で。
「行きたい場所は?」と聞かれて、思いきってリクエストした場所でした。

そこでパフェを食べながら色々な話をする中で、自分の好きなものの話をしてみました。
これを書きながら、どうしてそうしたのかを思い出そうとしましたが、思い出せず……。

ただ前日におみやげにと、CDを鞄につっこんだことだけは思い出しました。

一緒にパフェを食べた人は話を聞いて「心を開いてもらったみたいで嬉しい」と言ってくれました。自分の話を聞いてそんなふうに思ってくれる人がいるのかと驚くとともに「話を聞いてくれる人はいるんだ」とすごく嬉しかったです。そこのパフェはとくべつなパフェになりました。



大きなきっかけはこの3つですが「今の自分」だからこそ、今回の取材を受けることができたのだと思っています。

「ここまでよく頑張りましたね」と涙をこらえながら言ってくれた人。
「一緒に頑張りましょう」と手を伸ばしてくれた人。
「好きなものは好きって言っていい!むしろ今言おう!!」と背中を叩いて呟きがにぎやかになるきっかけをくれた人。
「こんなに話しているし、もう友達じゃないの」と当たり前のように言ってくれた人。

そんな人達との出会いやもらった言葉も今の自分がここにいることに、そして取材を受けると決めることにつながっていきました。改めて本当にありがたいと、そう思います。


最後になりましたが、取材をしていただき、本当にありがとうございました。
貴重な経験になりました。取材のリクエストをして下さったかたもありがとうございました。

今回、取材の中でお話させていただいたことが、誰かにとって小さなあかりのようなものになれば幸いです。
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