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月と常夜灯

常夜灯系作家・結来月ひろはの公式サイト

死んでいたかもしれない作家がkindle本を出した話(2023 1/29追記)


kindleにて『花咲きて~結来月ひろは短編集~』を配信しました。
kindleUnlimited読み放題対象作品になっています。こちらは読んでもらったページ分が作者に還元されるので、ぜひ読んで応援していただけると嬉しいです。
もちろん電子書籍をご購入いただくのも応援になりますし、とても嬉しいです。

【あらすじ】
人が書いた文字や発した言葉から花を咲かせることがある。
それは「花文字」と呼ばれ、身近にある少しふしぎな現象として受け入れられていたが、
主人公・華の持つ花文字は、他の人達とはちがうものだった……。
(『花咲きて』より)

推しがいる主人公の話、彼と彼女の話、かつての恋人と再会する話、ひとりで年越しを迎える青年の話、お姫様のような友人を持つ女子高生の話、口の悪い婆さんと女子高生の話。

小説投稿サイトに掲載している作品を1万文字近く加筆し、書下ろしを加えた7話が収録されています。

誰かやなにかを想う気持ちがつまったやさしくて、ちょっとふしぎな話の短編集です。

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はじめましての方には、これを機会に名前だけでもぜひ覚えていただきたいです。
よければぜひ作品を読んでほしい、そして売れてほしい……すごく売れてほしいです!!

そんな作者が、なぜkindl本を出したのか。
このコラムではkindl本を出そうと決めるまでと、kindl本の出し方・出すまでの流れについて書いていきたいと思います。



「短編集」にあこがれて

作家を目指していた頃からの憧れ。それが短編集。
一冊に色々な話がつまったそれは作者の脳内の縮図、作者ワールドと言っても過言ではなく、短編集におさめられた作品タイトルが本のタイトルになっているとか、小説雑誌に掲載されていた短編がまとめられた再録本の短編集とか、番外編が集められた短編集とか、もうたまらなく好きでした。

作家となってから数年。
憧れはいまだにあるものの、自分が短編集を出してもらうことは恐らく難しい。
だからこう思いました。

「あ、じゃあ、自分で出したらええか」

「自分には無理なのよ、そんなの」と落ち込むところですよね、多分。
自分でも、すごくふしぎですし、少し前の自分なら落ち込んでました。

これもいくつか理由はあるのですが、実はこの春に入院・手術をしまして。
コロナ関連ではなく、まったく自覚症状はなかったものの「万が一が起きたら最悪救急車。最低でも救急車」と非常にあれな状態だったらしく……。

そんなこんなで人生初の入院手術が決まり、手術前や入院中にひたすら推しの曲を聴きながら考えていた「退院したらやりたいこと」のひとつが「短編集を出すこと」でした。

他に出てきたやりたいことも「なになにを買う」とか「ちょっとおしゃれなお店に行く」とか……自分がちょっと頑張って行動してみたら叶えられることだったんですよ、大半が。

でも、それをしてこなかった理由は「こんなの自分には似合わない・もったいない」とか「お店行ったら絶対浮く」とか、そんなのばっかりで。

下手したら死んでたかもしれんねんぞ!?な経験をしたせいか「退院したら自分がちょっと頑張ったらできることは全部やろう」と決めていたのもあります。

とは言え、退院後は本調子に戻らなかったりなどもあり「自分には無理じゃないの~?」が出てきてしまったりして……そんな中で「kindle本出そうと思ってるんですけどね~」と話した人からこう言われました。

「え、出したらええやないですか?」

返ってきたのは「あ、はい。出します」しか返せないくらい、潔くシンプルな言葉。
そんな言葉に背中を押されたおかげもあり、kindle本を出すことを決めました。



kindle本……ってどうやって出すの?


kindle本を出すと決めて最初にぶち当たったのが、この問題です。
自分で調べてみたものの、正直、まあ面倒くさい。
というよりもこれ素人では無理なやつでは?が正直な感想でした。

「え、これ、出してはる人って、みんな自分でやってんの? すごない?」
(それに比べて調べてもやり方わからない自分って、ほんと……)

気持ちが沈みきってしまう前にkindle本を出されている方のブログなどを見てみると、結構な方(私が見たブログなどでは、ほとんどの方)が電子書籍のデータ化などを他の人に頼まれていることを知りました。

今はココナラであったり、色々なサービスがあることは知っていましたが、そうしたことも頼めること・頼んでいいことをkindle本を出すにあたって初めて知りました。

「頼んでいいんや!」

そう思えたこと・サービスがあると知れたことがすごく大きかったですし、私がお願いした方は電子書籍申請方法についてやサポートなどもして下さる方だったので、とても心強かったです!
素敵な表紙もココナラで素敵なイラストレーターさんと出会い、お願いすることができました。

私の場合ですが、ココナラでイラストレーターさん・電子書籍データ化してくれる人を探して、

 1.表紙をお願いする
 2.その間に電子書籍にする原稿の準備・確認
 3.表紙を受け取り、原稿と一緒に電子書籍データ化を依頼
 4.電子書籍申請

という流れで進めていきました。

表紙イラストを受け取った時や電子書籍化してもらったデータを受け取った時はすごく嬉しかったですし「これが電子書籍になるのか」と、とてもワクワクしました。



中身をどうする? 再録と書下ろしについて

中身については「小説サイトの掲載作品の再録」に書下ろしを加えたものと、わりと早く決まりました。

これについては「全部書下ろしで出すって決めると、ここがこうとかなんやとかでグダグダ言って出さへんやろな」という自分の性格によるものが大きかったです。

あとは最初に書いたように再録の短編集への憧れもあったからです。
色々悩みはしましたが「自分で出す本やし、出したいものを出そう」と最後には落ち着きました。

再録にあたって、掲載作品はすべて加筆修正をおこないました。
ボリュームアップし、表現を大きく変えた箇所もあるので短編集を買っていただくと「もれなく修正前と修正後の2パターンをお楽しみいただくことができる」他、修正などの参考にもできるかと思います。

書下ろし作品はここでしか読むことができない「口の悪い婆さんと女子高生の少しふしぎな話」になっています。

こちらの書下ろし作品については「他作品が現代を舞台にした作品であること」「ファンタジー要素も含んだ作品があること」からバランスを考えて「現代を舞台にしたファンタジー要素もある作品」と決め、この話が生まれました。

書下ろしのネタバレにならない程度に話すなら、この作品のテーマは「愛」です。
そして短編集に掲載されている作品の共通のテーマでもあると思います。
友愛・推しへの愛・恋愛……そんな様々な愛と想いがこめられた短編集になっています。

花咲きて~結来月ひろは短編集~』を読んで下さった方からは

「目に浮かぶような描写が素敵だなと思うと同時に、
実は今回いちばん印象に残ったのは、短編の収録順でした。」

「最後まで読み終えた時、この順番しかない!と、思いました。
流れるように気持ちよく、寄り添いながら読みました。」

と嬉しい感想をいただきました。
収録順にもこだわったので、順番について褒めていただけたことはとても嬉しかったです。
ぜひ物語の流れも合わせて楽しんでいただければ嬉しいです。



短編集の売れ行きについて

配信したkindle本の売れ行きなどは、自分のページから確認することができます。

11月4日に配信が開始されて2週間と少し。
正直に話すと売れ行きがいいとは言い難いですが、購入して読んで下さっている方もいて、とても有難いですし、そのことがとても嬉しいです。
購入下さった方、本当にありがとうございます。

もちろん本をこうして出した以上は売れてほしいですし、たくさんの人に読んでほしいです。
それが本音であることにはちがいありませんが「出してみたい」と思っていた短編集を自分で出したことは大きな意味のあることでした。

少なくとも憧れのままで「憧れ沼」にずぶずぶと沈んでいってしまうよりも良かったと思っていますし、私の中のやりたかったことがひとつ叶った瞬間でもありました。

「今度はなにかテーマを決めてすべて書き下ろしで短編集を出したいな」なんてこともぼんやりと考えています。感覚としては同人誌を出すそれと似ているのかもしれません。

作者の好きと憧れ、そしてさまざまな愛と物語を詰め込んだ短編集『花咲きて~結来月ひろは短編集~』ぜひ読んでください。

kindle読み放題対象作品で読んでもらった分だけ作者に還元される仕組みになっているので、よろしければぜひ読んで応援してもらえたら嬉しいです。


あとは最後になりましたが
「あれ?」と思ったら早めに病院は行きましょう。行ってください。
お仕事・推し事・趣味、どれも健康あってのものですから。

※2023 1/29 追記
こちらのコラムで話していた入院した時の話をエブリスタにエッセイとして投稿しました。
腫瘍は誰にでもできる可能性があるそうなので、ひとりでも多くのかたに読んでいただければと思いますし、腫瘍だけでなく不調の早期発見や病院に行くきっかけになれば幸いです。

『画面に映りきりません! 太ったと思ったら巨大腫瘍でした』
https://estar.jp/novels/26054604
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